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長坂真護 展

昨年10月~12月、金津創作の森において福井出身のアーティスト「長坂真護」さんの個展が開かれました。長坂さんは“電子ごみの墓場”ガーナのスラム街に捨てられた廃棄物を使って作品を制作し、環境問題や社会課題をアートを通じて表現しています。

長坂さんは作品の売り上げの多くを現地の学校やリサイクル施設建設に投じ、雇用を生み子供たちに学ぶ場を提供することで、他者から施されるのではなく自力で生活の基盤をつくり、子供たちが未来への希望がもてる社会を!と現在もその先頭立って活動されています。目標は2030年までにスラムに1万人の雇用を生むことだそうです。

毎日ガーナには、世界中で使い捨てられた文明の残骸が有無を言わさずに投げ込まれます。悪臭と焼却時に発生する有毒ガスの中、幼い子供たちはお金になる金属ゴミ等を拾って家計を助けるのです。

たくさんのゴミにぐるりと囲まれた真ん中にいる少女のまっすぐな瞳が胸に刺さります。

実はこの作品の下にはゴミだらけの、お世辞にも綺麗とは言えない水たまりの造形が置かれています。そして、この絵の前に立つとその黒く汚れた水たまりに鏡絵となって少女の姿が映し出されます。覗き込むと自分の顔も同じように映ります。

ふと、「私は加害者側なのだな」

心にそんな気持ちが沸き上がります。遠い国の名前も知らない少女の足元に、たくさんのゴミを押し付けてきたのは他でもない自分なのだなと。私はしばらくこの絵の前で動けなくなってしまいました。

この他にも長坂さんならではの鋭い感性と、ふるさと福井に対する思いが溢れる作品がたくさん見られました。福井にこんな素晴らしいアーティストが存在することを誇りに思うと同時に、もっともっと多くの人に知ってもらいたいなという気持ちで会場を後にした山田でした。